暗黒卿 堕悪巣矇娄(ダース・モール)
大首絵のうち、顔のみをより強調した「大顔絵」としてダース・モールを描いた作品。
顔の入れ墨は実物の濃さにすると浮世絵の雰囲気が出ないため、実際の黒よりも若干薄くする工夫を凝らしました。
また、絵師が最も力を注いだ目の部分はダークサイドに堕ちた者独特の色を意識して表現しており、細部まで忠実に再現するべく彫りにもこだわりました。
小さな円形のボカシは摺師が時間を費やし細心の注意を注いだ箇所。
さらに“ツブシ”と呼ばれる衣装の黒を再現するには摺りを重ねる必要があり、この美しい黒を表現するために熟練の技術が施されています。