一楽亭栄水 浮世絵美人画「玉屋内 志津賀(額入り)」

40,700(税込)

遺珠刊行会「秘蔵 浮世絵美人画撰」

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000000000092
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一楽亭栄水 浮世絵美人画「玉屋内 志津賀(額入り)」

一楽亭 栄水 浮世絵美人画「玉屋内 志津賀(額入り)」の詳細

題名のよみは、「たまやうち しづか」。
玉屋抱えの遊女志津賀を描いた作品である。
この美人大首絵は、同じ版元丸屋文右衛門から出した「鶴屋内陸奥」「兵庫屋内月岡」などとともに何枚かの組物シリーズを成すものと見なされる。

開きかけの十返舎一九の黄表紙を下向けにもつ白い左手先と、顔先へもたげた右袖口とを交叉させたポーズが、ふしぎな科を作り、読みさしの本を伏せて、誰かと対話する瞬時のスナップの動感をいかにもたくみに伝える。

この絵師の描き癖である、美人の両眼の位置の不均衡さが、かえって上述の動感をさらに助長させて、何かコケティッシュな官能美も伝えて来る。 この感触は栄水独特の雰囲気である。

衣裳のデザインは、上着や襦袢の袖など、単純な模様ながら、目に訴える効果は至極あり、これもまた、画面の動感を助けている。
画中に見える黄表紙の作者、十返舎一九がこのジャンルに初めて手掛けたのが寛政七年(1795)。

そして、ここに描かれた花魁の玉屋志津賀は、静玉屋として知られる吉原遊廓内江戸町二丁目の玉屋庄兵衛の抱えで、寛政六年の吉原細見では、三枚目のよび出しであったのが、同八年の細見になると筆頭のよび出しに上がり、トップ級の花魁となる。

この絵は恐らく、この花やかな時の彼女を描いたものだろう。
ついでながら、栄水と一九は親交があったらしく思われる。亨和元年(1801)刊、一九作の洒落本『恵比良之梅』『野良玉子』『色講釈』の挿絵をこの栄水が描き、また一九を著名にした滑稽本『東海道中膝栗毛』初編の口絵に、栄水は一九の肖像を描いている。

この錦絵制作の寛政末年ではようやく両人が交際をもち出した頃かもしれないが、画中に戯作とその作品名を出してやるほどの間柄には進んでいたものと見られる。

この商品の素材やサイズ

商品名一楽亭 栄水 浮世絵美人画「玉屋内 志津賀(額入り)」
材質和紙
サイズ縦36.3cm × 横24.6cm
小池茂
渡辺義明

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