鳥高斎栄昌 浮世絵美人画「遊君和歌三神・松葉屋染之助(額入り)」
40,700円(税込)
遺珠刊行会「名品おんな十二姿」
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鳥高斎栄昌 浮世絵美人画「遊君和歌三神・松葉屋染之助(額入り)」の詳細
吉原の遊君は、「歌舞の菩薩」と譬えられることもあるように、歓楽郷に足を運ぶ庶民たちにとって、アイドルとも映じたものと見られる。 だから撰りすぐられた美人を、宗教画の系を引く三幅対や、これと縁のある三神の画像に見立てる作品がいつか制作されるようになっている。
この栄昌も、そういう見立意識を含んだ作品である。
表題に記す和歌三歌とは、和歌を守護する三柱の神で、通常住吉大明神・玉津島明神・柿本人麻呂をさすが、衣通姫・柿本人麻呂・山部赤人にしたり、その他異なる神を組合すこともあるなど異説が多い。
その三神に吉原遊君をそれぞれ見立ててこの作品は三枚の組み物となっている。
向かって右が丁子谷雛鶴で、屏風前に立膝で長煙管を突いた姿。
中央が扇屋花扇で、挿櫛を掲げ見るポーズ、そして左に、この松葉屋染之助が位置する。
三神のどの神に疑したかは、象徴する事物が見られず定かではない。
単に三美人をおおまかに三神と見立てたのではなかろうか。
染之助は江戸町一丁目の大籬松葉屋半左衛門の抱え。
寛政中期末頃の吉原細見にようやく名を出し、寛政八年の細見に二番目、九年で呼び出し筆頭となる。
ほとんど常に筆頭格の他の二妓と三幅対の格で錦絵に描かれたこの図は、従ってこの九年頃の制作と見るのが妥当ではあるまいか。
栄昌も気を入れて描いているようでポーズのよく、師栄之ゆずりの品格と、栄昌独特の愛くるしい色気とか程々に混和されている。
打掛の宝づししの模様が、この花魁の華美さを物語り、一方かたわらにある文車の上の帙入りの書籍や、巻物がかの女の知性教養を暗示するように受け取られる。
読み入る天地紅の巻物の端が膝からこぼれて、疊の上にチラリと三角形に裏の白さを見せている効果が巧みで、同時に絵師の細かい気のくばり方を示している。
この商品の素材やサイズ
商品名 | 鳥高斎栄昌 浮世絵美人画「遊君和歌三神・松葉屋染之助(額入り)」 |
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材質 | 和紙 |
サイズ | 縦36.3cm × 横24.6cm |
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