『LA MER』オーケストラスコア 初版表紙 浮世絵木版画【特別額装 神代杉額】

220,000(税込)

ドビュッシーのオーケストラスコアの表紙にも使われた、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」モチーフの作品『LA MER』「浪裏」を木版画で表現しました。
特別額装の神代杉は2,000年以上前のものといわれています。

商品コード
000000000203
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○ 在庫あり
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『LA MER』オーケストラスコア 初版表紙 浮世絵木版画【特別額装 神代杉額】の商品詳細

『LA MER』オーケストラスコア 初版表紙 浮世絵木版画【特別額装 神代杉額】

額縁に神代杉を使用した特別限定盤の『LA MER』「浪裏」木版画です。
今回使用した神代杉は山形県の鳥海山の山麓で見つかったものです。

神代杉は2,000年以上前、太古に自生していた樹木である杉が火山噴火活動や土砂崩れなどで地中または湖沼中に埋没し、奇跡的に腐敗することもなく時を越えて掘り出された大変貴重な材木です。

香りは杉とは全く違いますが、香木の様な香りを放ちます。

『LA MER』と『富嶽三十六景・神奈川沖浪裏』

19世紀後半、日本の美術・工芸がヨーロッパの芸術家たちに様々な影響を及ぼしました。
フランスの作曲家であるドビュッシーもその一人です。 ドビュッシーは葛飾北斎の浮世絵木版画『冨嶽三十六景』シリーズ三役の一つ「神奈川沖浪裏」に影響を受け、1903年から1905年にかけて管楽楽曲『LA MER(海)』を作曲しました。

また、ドビュッシーのオーケストラスコア初版の表紙には「神奈川沖浪裏」の一部をトレースし、配色を本藍色・ペルシャンブルーから、エメラルドグリーン主体に変更した「浪裏」が描かれています。

その『LA MER』「浪裏」を日本画家であり浮世絵師でもある塩崎顕と、浮世絵木版画の彫り・摺りの技術を江戸時代から継承し続ける専門の職人により再現しました。北斎の筆感を生かしながら、オーケストラスコアの独特の色味を「浪裏」の迫力と臨場感に絶妙なまでに融合させています。

ドビュッシーのオーケストラスコア初版の表紙に使われた浪裏を、世界初の浮世絵木版画にて再現いたしました。

塩崎顕(Shiozaki-Ken)

塩崎顕

日本画家でもある浮世絵師。
主に平安~江戸時代の日本絵画に着目し、テーマの多様性や工芸的な技術の高さを再評価すると共に当時の様式やエッセンスを再構成し、現代の日本人の持つ美意識や感性に訴えかける平面絵画作品を制作する事で、アートの世界における「日本絵画」の存在と可能性を提示。

全て手作業で1枚1枚作られる江戸伝承・浮世絵木版画の制作工程

この浮世絵木版画は、江戸伝承の古法による純手彫り純手摺りであり、
技術者は文化財保護第八十三条によって認定された浮世絵木版画彫摺技術保存協会に所属しています。

江戸時代より師弟関係で紡いできた職人たちの「彫り」「摺り」の匠の技によって
人間国宝の岩野市兵衛が漉く最高級の和紙「越前生漉奉書」に
一枚一枚、すべてを手作業で制作する浮世絵木版画になります。

  • 01.下絵
  • 02.本絵
  • 03.彫り
  • 04.摺り
  • 05.額装

01下絵

下絵を描いているイメージ写真

版元(版三のプロデューサー)は浮世絵木版画の企画を立て、絵師と共に題材やキャラクター、構図を考えます。

絵師はこのイメージに基づいて、最初にラフ(下絵)を描き、版元と意見を交わしながら修正を繰り返して納得のいく下絵を完成させていきます。

下絵だけで何十枚、何十種類もの絵を描くこともあり、皆が納得いくまで修正を繰り返し下絵を完成させます。

02本絵

本絵を描いているイメージ写真

本絵では、絵師が下絵から全体の色の校正や要素の詳細、線の一本一本まで細部にわたって描き込みます。

最近はパソコンを使用して描くことも多く、下絵と同様に、版元と意見を交わしながら納得するまで何度も修正を繰り返します。

最終的に構図や色が確定したら、彫りや摺りの工程のために色の数や色の重なり方、線の太さなどを整え本絵と共に版下絵が完成します。
本絵でも、1本の線の書き直しや位置の調整、色の濃淡の違いなどの調整を幾度となく繰り返し完成させます。

03彫り

彫師による実際の彫り作業

多色刷りの浮世絵木版画の制作は本絵の色数ごとに木版を分けて制作しますので、絵柄の色数の数だけ木版を彫らなければなりません。
浮世絵は細かい線や模様が特徴であり、1ミリでも誤差があると全体の印象を大きく変えるため、彫りの作業には高い精度が求められます。

木版は主に桜の木が使われますが、木の質や硬さによって難しさも異なり、本絵に忠実に彫り進めるのはもちろん色に現れない背景の部分も含めて全て手作業で行います。 このように繊細に作られた版木は何千回も摺りを行うことが出来ません。そのため、浮世絵木版画はすべてが限定生産となっています。

04摺り

摺師による実際の摺り作業

人間国宝の作り出した和紙に、丁寧に一色一色を摺り重ねていく作業です。
各色の版木を正確に位置合わせして塗料を紙に摺り込むのですが、絵柄がずれないように見当(版木上に彫られた溝)に紙を置いて数十回も色を摺り重ねる作業であるため、職人の手の感覚、色の順番や重ね合わせの技術、スピードなどが非常に重要となります。

さらに馬連という道具で紙に摺る際にも、絵に1ミリのズレも生じさないように均一に圧力をかける熟練の技が必要となります。 また、色合いは実際に摺ってみないと分からないため、何十回も変更を行いながら理想の色に仕上げていきます。

05額装

浮世絵木版画の額装

浮世絵の寸法は現代絵画と異なるため、既成の額縁では最適なサイズを見つけるのが困難です。
作品が美しく見えるようにバランスを考えて、数十種類のフレームとマットの中から何パターンも組み合わせを行い最適なものを選び抜きます。

高級感があり、コストとのバランスも考えながら、絵に最適なフレームとマットを使用することで、一つの作品として完成させます。

実際の浮世絵作成の風景(神奈川沖浪裏Ver.)

実際に浮世絵工房の職人たちの、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の作成風景をご確認いただけます。
彫り、摺り、和紙の制作工程だけでなく職人たちのこだわりなどを語ったインタビューもご確認いただけます。

この商品の素材やサイズ

商品名『LA MER』オーケストラスコア 初版表紙 浮世絵木版画【特別額装 神代杉額】
サイズ(絵)縦32.0cm × 横24.0cm
サイズ(額)縦55.0cm × 横43.5cm
素材越前生漉奉書、額:木製、表面:アクリル

版三の浮世絵木版画の特徴

版三が作る浮世絵木版画だけの特徴があります。
他とは違う、版元である浮世絵工房の木版画だからできる違いをご紹介します。

越前和紙 生漉奉書紙

越前和紙 生漉奉書紙

上質な楮(こうぞ)100%でつくられており、人間国宝・岩野市兵衛氏が長年の経験と卓越した職人技で一枚一枚手漉きした最高級の越前和紙。絵の具をスッと吸い込む柔らかさと発色の良さ、何百回もの刷りに耐えられる強さを兼ね備えています。

手彫り・手摺り木版画

手彫り・手摺り木版画

木版画の彫摺は江戸伝承の古法による純手彫り純手摺りで、木板の表面に僅か1mmという世界で線を浮かび上がらせ一色ごとに手摺りで和紙に色付けていく伝統的な印刷技法により仕上げられています。

技術者は文化財保護第八十三条によって認定された浮世絵木版画彫摺技術保存協会に所属。
彫師・摺師の木版画制作技術は国指定の文化財「重要民族文化財選定保存技術」に選定されています。

浮世絵専用の額装

浮世絵専用の額装

浮世絵の寸法は現代絵画と縦横比が異なるため、既成の額縁では最適なサイズを見つけるのが困難です。 より作品が美しく見えることを考慮し、版三がオーダーした高級感ある額縁に入れてお届けいたしますので、そのまま飾ってお楽しみいただけます。

当商品制作に携わった職人紹介

絵師

塩崎 顕

日本画家でもある浮世絵師。
主に平安~江戸時代の日本絵画に着目し、テーマの多様性や工芸的な技術の高さを再評価すると共に当時の様式やエッセンスを再構成し、現代の日本人の持つ美意識や感性に訴えかける平面絵画作品を制作する事で、アートの世界における「日本絵画」の存在と可能性を提示。

江戸木版画 彫師

菅 香世子

  • 文化庁・無形文化財選定保存技術認定職人
  • 経済産業省認定 江戸木版画 伝統工芸師

高校卒業後、東京都荒川区の匠育成支援事業の職人見習いに応募、江戸木版画の彫師として7年間の修行を経て独立。 現在、数少ない経産省認定の女性伝統工芸士として卓越した技で浮世絵木版画の文化継承に貢献している。

2003(平成15)年 江戸東京博物館「大江戸八百八町展」にて実演
2005(平成17)年 日本橋三越「名所江戸百景完成記念展」にて実演
2008(平成20)年 江戸東京博物館「北斎漫画展」にて実演

江戸木版画 摺師

鉄井 裕和

  • 文化庁・無形文化財選定保存技術認定職人
  • 経済産業省認定 江戸木版画 伝統工芸師

1975年 木版画摺師、鉄井孝之の次男として東京に生まれる。
会社員を経て鉄井木版画工房に入り摺師の道へ。

父に師事し修行を重ねながら各展覧会で摺りの実演を精力的に行い、2009年11月にロシアサンクトペテルブルグの露日友好会館で開催された文化催事においても 好評を博す。

和紙

九代 岩野 市兵衛(人間国宝)

1978年、九代岩野市兵衛を襲名。
2000年6月に国指定重要無形文化財(人間国宝)に認定。

木材パルプ等を使用しない、楮だけを使用した生漉き奉書一筋に専念。
越前和紙に伝承される古来の技法に作られた強靭かつ繊細な和紙は、版画紙として多くの美術作家、浮世絵木版画に提供されている。 先代 (八代) の市兵衛氏が漉いた紙は、あのパブロ・ピカソも版画用紙として愛用していた。

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