映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の鬼太郎と目玉おやじとねこ娘の姿を描き、鬼太郎の父と水木を描いた「暁の友」とは対になる作品です。
月岡芳年「月百姿 吼噦」をモチーフに制作。
題名「暁月之縁」の暁月は有明月(ありあけづき)とも言い、夜が明けても残っている月を指します。
暁の後に月が消えてもその光は残るという意味を込めて、両親の願いを受けて生まれ育った鬼太郎が、仲間と共に現代を生きる姿を描きました。
映画の雰囲気に合わせてセピア調の色彩で表現。
画面の端々には物語を想像させる不気味な演出を施しています。
担当浮世絵師のコメント
この作品は鬼太郎の父と水木を描いた「暁の友」の連作で、月岡芳年の、最晩年の大作「月百姿」をオマージュしています。
「月百姿」は和漢の物語や詩歌、謡曲の中の月にまつわる場面を題材とした歴史画ですが、こちらは月が照らすことで映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の世界が我々にもうっすら垣間見えるというのをテーマにし、父親たちから現代の鬼太郎に繋がる“縁”や、受け継ぐ者たちの姿を描きました。
谷田部透湖さんのキャラクターデザインはとても魅力的ですので、なるべく原作を大事にしながら、線のタッチなどは浮世絵の技法で表現しています。
髑髏については“画鬼”こと河鍋暁斎の「風俗鳥獣画譜」より、「髑髏と蜥蜴」から“鬼”繋がりで描きました。